君を忘れない~妄想の中の王子様

 その中で、見知らぬ中年の男性客が、注文を取りに行った私に言った。

「注文は、お姉さん。」

 冗談で、からかっているのだと思い、私は、笑顔で、もう一度言った。

「……ご注文は、いかがいたしますか?」

 すると、その男性客は、

「お姉さんだ、って言っているでしょう。こんな田舎に、こんないい女が、いるなんてなぁ。もったいない!僕と、どこかいいところ行きましょう?お姉さん!」

 と、言った。
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