君を忘れない~妄想の中の王子様

「あ、あの、お客さま、そういうのは、ちょっと……!?」

 困ります、と言いかけているうちに、手首をつかまれた。

「きゃっ!」

 と、思わず声が出た。


 騒ぎを聞きつけて、奥の方から、レイが飛び出してきた。

 私の手首を握っている、客の手を素早く振りほどき、強い口調で言った。

「嫌がっているでしょう。」
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