君を忘れない~妄想の中の王子様

 すると、彼は、私の頭を優しく撫でて、私の髪は、クシャクシャになった。


 そして、次の瞬間、彼は私を、戸惑いながら、そっと抱きしめた。

 裸の胸に抱かれて、彼のものか自分のものかわからない鼓動が、ドクンドクンと音を立てていた。


「泣きたい時は、泣け。……こう、しててやるから。」

 低い甘い声が、つぶやいた。


 そのまま、永遠のような甘美な時が過ぎた。


「レイの胸、ドキドキしてる。」

 私が、そう言うと、彼は、甘く優しい声で言った。

「当たり前だろ。……こんな、かわいい娘、抱きしめてるんだから。」



 

 




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