君を忘れない~妄想の中の王子様
「えっ!?今、何て、言ったの?」

「何でもねーよ。ばーか。」

 そう言って、レイは、私の頭を、優しくコツンと叩いた。

「少しは、元気、出たか?」

「うん。ありがとう。」

 私たちは、身体を離して、キッチンに並んで寄りかかった。

「あんたも、飲めよ。」

 そう言って、レイは、冷蔵庫から、缶ビールを出してくれた。
 
「ありがとう。」

 勧められるままに、一口飲むと、冷えたビールのほろ苦さが、身体中に沁みていった。

 


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