君を忘れない~妄想の中の王子様
「浜辺に、倒れていたんだ。遭難したのかも知れない。」
レイが言った。
「それじゃあ、ショックで、一時的に思い出せないのかもしれないわね。でも、大丈夫よ。しばらくここにいてもいいのよ、リーファ。」
サラが言った。
いろいろな事が一度に胸に押し寄せてきて、涙があふれてくる。どうしよう、私……。
突然、レイが優しく私の頭を、ぽんぽんと撫でた。
「ここに、いると、いい。」
その笑顔の優しさに、ますます胸がいっぱいになって私は、わっと泣いてしまった。