先生、解けない問題があるのですが。
そういや、藤咲を家に入れんの
久しぶりだな。
確か、中3の時以来か。
あん時は賭けで俺が勝って、部屋の片付けの命令したんだっけ。
昔はよく互いの家を行き来してたもんだ………が、
今や、藤咲は自分の部屋に俺を入れさせようとしない。
それが正直、ちょっと寂しかったりする。
なんて、ベッドで考えてたら
いつの間にか藤咲がトイレから帰ってきていた。
するとアイツは
床に脱ぎ捨てられた俺のブレザーをかける。
本当はこのブレザー、いつもは自分でかけるんだけど。
ワザと脱ぎ捨てた。
…………そりゃ誰で好きな女には尽くしてもらいてぇだろ。
尽くすの種類が違うにしても。
机に座ろうとする藤咲。
「まず、皿洗いからな」
俺がそう言うと、藤咲は呆気にとられた表情。
なんだよ、その阿呆面は。
まぁ、その顔も好きだけど。
「え、まって。私、あんたの課題だけやるために来たんだけど…?」
「追加命令」
ふざけんな、と言わんばかりの彼女の表情。
悪ぃな、藤咲。俺って、お前にそういう顔されると
もっとイジワルしたくなるんで。
「………はぁあ?!追加とか困るし!予定が狂うんですけど!!」
「フッ、お前の予定なんて知らねぇよ。さっさと従っとけ。」
お前の予定は俺で埋まっときゃあいいんだよ。
ばーか
また楽しい一週間の幕開けだ。