セルトリア学園
4人一緒に寝ていた寝室。



4人だけで食べた食堂。
あの頃は大人数で食べて
礼儀作法を言われるのが嫌で
よく夕ご飯の時は逃げ出していたな。



女2人で料理をしていた台所何度も失敗して
焦げ臭い匂いが広がっていた。
絶対美味しくなさそうなのに
飢えを凌ぐために食べていた。



それでも我慢できない時は怒られる覚悟で
宮殿に帰っていたな。



昔も相当ボロボロで
あまり使えたものでは無かったが
今はもっとボロボロで使えそうにない。




ここから帰って来た時巫女様には
こっぴどく怒られ
大巫女様はたくさん話を聞いてくれて
楽しそうにしてくれた。



ここに来れるのも最後かもしれない。



そう思いながら一つ一つ思い出を
思い出しながら部屋を回る。



最後に来たのは武器庫。



何も無いそこは、
昔はスラム街の人々が何かあった時
籠るためにたくさんの武器が置いてあった。



もちろん、ここを提供、
とう言うか教えたのは私たち4人で
その代わりこのスラム街への立ち入りを
自由にさせてもらった。



仲良かった人達からたくさんのことを学んだ。
魔法も宮殿でも習っていたがここでも習った。


武器の使い方も丁寧に教えてくれたし、
勝手に忍び込んでファッションショーもした。



魔法は適性検査をちゃんとしてなくて
いきあたりばったりで練習して
爆発を起こしたこともある。



この世界にはみんなが必ず
少しは魔力を持っているが使えるかは本人次第だ。



それに自分の中にいる精霊の属性によって
攻撃向きか、
援護向きかが決まるし、
精霊がいない方が大半だ。



光、闇、火、水、植物、
土、雷、風、回復、特殊能力、
この11の精霊が存在する。


その中でも光と闇、回復、特殊能力は
珍しく奴隷でも高く売買されているらしい。



ゴーンゴーンゴーン



街中に鳴り響く鐘の音が鳴る。



正午を迎えたようだ。



もう戻ろうと思い私は廃墟の館を後にする。



「セナ様!遅いです!」



「ごめんアーシャ、思い出にふけっちゃって」



「全くもー!」



「セナ様、出発の準備が整ったようです。」



「そう、遂に、ここから、この街から出るのね」



「はい、ここから王都までは2日程度です。」



「そう、少し気合を入れなきゃね」



「さぁ、行きましょうか」



「えぇ、」
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