セルトリア学園
どうやら貴族が
一般市民を一方的に虐めているらしく、
その周りの人もどうやら貴族と、
いじめられている市民の友達のようだ。
近づくとより良くわかりやすくなる。
地面に転がっている男子と
それに足を乗せている男が1人。
足を乗せている方は貴族らしく貴族の紋章と
宝石を付けている。
地面に転がっている方は随分と蹴られていたようで
白い制服が砂にまみれており、
顔には出来たばかりのようなアザがある。
その痛々しい現場に我慢できずに叫ぼうとするが
それより早くユイが声を発する。
「マーレラス・コール・シーベリアス」
ユイが誰かの名前を呼ぶと
足蹴りにしていた男が顔を上げる。
ユイの声は低く、怒っていることが伺える。
よく見ると周りの取り巻きたちも貴族のようで
市民の人達は怯えている。
「これはこれは
!ユーハルイ・コーナス・イーベラス。
お久しぶりです。
僕に会いに来てくれたのですか?」
ニコニコと人が良さそうな笑を浮かべながら
マーレラスと呼ばれた男がユイにこうべを垂れる。
他の貴族達もユイに気づいた瞬間頭を下げる。
どうやらユイは貴族でこの人達より
上の位であまりユイが好きではない人種のようだ。
「マールス。貴族の恥。」
ギリと歯を噛む音がセナだけに聞こえ
どんなに怒っているかが伺える。
「ユイ、私は別にいじめていたわけでは..」
「じゃあ、何していた。」
ユイが静かに怒るがマールスは鼻で笑うだけだ。
「ユイ、お前に言うギリはないね。
落ちこぼれが。」
マールスの言葉にユイが息を呑む。
セナはなんのことか分からずに首を傾げるが、
他の貴族達はくすくすと笑う。
「ユイ、新しいお友達が出来たようだが
お前の能力知ったら逃げ出すんじゃないか?」
自分の事だとわかりセナがマールスを睨む。
「なんだ?おい、市民が貴族に楯突くとどうなるか
分かってんだろ。」
「悪いけど、
この国の人間じゃないから分からないわ。
それでも、ユイがどんな能力を持ってようと
友達にならない理由はないわ」
「へぇ。」