セルトリア学園
その瞬間マールスが片手を上げて
「建国の炎(スターターファイヤー)」と呟く。
上級初期の魔法で火魔法だ。
マールスはニヤリと笑った瞬間セナに向けて放つ。
いきなりのことで反応出来なかったセナは
腕で顔を覆う。
「セナ!!!!」
ユイの叫び声がセナに聞こえる。
ユイはその瞬間自分の魔力を体に巡らせるが
自分の能力ではセナに傷つけるだけだと
思い止まってしまう。
その瞬間にも建国の炎は
セナに向かって飛んで行く。
まさかと思いながら目をつぶると
ジュワァという蒸発する音が聞こえる。
セナが恐る恐る腕をどかすと
そこにはこの間会ったばかりの背中がある。
「ヒロ。」
ユイとマールスがスゥッと息を呑むのがわかる。
「セナ様。大丈夫ですか?」
「サク。」
サクがセナの目の前に来ると
膝をついて手を差し出す。
「サク。セナ様を安全なとこへ。
こいつは、殺す。」
ヒロが殺気をまといながらマールスに向き合う。
「ひ、ヒールスト・ローレス・ファーマン。」
マールスがそう呟く音が聞こえるが
サクによってその疑問は解消されぬまま
どこかへ向かう。
「サク、ユイが。」
セナがサクにそういうがサクは首を振るばかりで
承諾しない。
「セナ様、俺たちはセナ様の安全が第1です。
ユーハルイ・コーナス・イーベラスは
あとから助けます。」
そう言ってサクは振り返ることを許さずに
私を医務室へと連れていった。