セルトリア学園
クイッと小指の何かが引くような気がした。
目を凝らして見ると小指の魔法の糸が
ピンと張っている。
今までは垂れていたのに初めて張ったそれを見て
セナは医務室の椅子を音を立てて立ち上がる。
無礼な行為だがそれを気にする暇も無かった。
「セナ様?」
サクがセナに向かって心配そうに呟くが
セナは相手にしない。
ただ来たところを見つめている。
「いるの?」
「セナ姉?」
セナの意味のわからないといかけに
サクが首を傾げる。
「あの山に、3人のうち誰かがいるのね。」
バレた。とサクが息を呑む。
「セナ姉、それ、ッッッ」
サクの表情を肯定ととり
セナは駆け出した。
「セナ姉!!!」
サクも急いで走り出す。
今はまだ、合わせる訳にはいかない。
たぶん、レオン兄もアマト兄もレーナ姉も
セナ姉が来たことは知っている。
だから、ここで合わせたら
3人は
壊れる。
サクも急ぐが何故かセナとの差が縮まらない。
戦闘特化のサクでもなかなか追いつけない
速さとなると、セナは本気だ。
そして校門まで来ると、
そこにはレオン兄がいた。
最悪の状況を作って。