セルトリア学園
「あの子達との約束を果たしに行くのね。」



「はい!約束のために
セルトリア学園に行ってまいります!」



「普通の祖母なら
ここでなにかをあげるのだろうけど、」



「いいえ、お気持ちだけでありがたいです」



ふふふとお婆さまが笑う。



「お婆さま?」



「若いなぁと思っただけよ。
まるで昔の私を見てるみたい」



「え?お婆さまが私と似ている?」



「えぇ、昔私もセルトリア学園に入学したいと
駄々をこねたわ」



「お婆さまが、」



「セナ、この学園への入学は
ただの学校生活ではありませんよ、
しっかりと守護人を見つけてきなさい」



「はい、もちろんです。」



「まぁ、あなたの事です、
あの子達だと決まっているでしょうけど」



ホホホとお婆さまが愉快そうに笑う。



「お、お婆さま!」



「ほほほ、行き過ぎては行けませんが、
恋をするのもいいと思うわ」



「お婆さま!冗談が過ぎます!」



ホホホとお婆さまの声が響く



「姫巫女や、」



「はい」



姫巫女と呼ばれた瞬間ピリと空気に緊張が走る



「本来の目的、守護人を決めることを
忘れてはなりませんよ」



「もちろんです」



「しっかり遊んできなさい」



「はい!」



──失礼します
そう言って部屋を出ると
やはり扉の側にはカイとアーシャが待っていた。



「さぁ、二人共!街へ行くわよ!」



「はい!」



「程々にしてくださいよ」
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