night&day
「はい。ってさっきさなちゃんにも言ったんですけど」
「あ、そうなの?別に店は平気だよ飲まなくてもさ。今仕事は?さなの先輩ってことはもう卒業したんだろ?」

その当たり前の疑問にさっきと同様の話しを口にする。
さなちゃんのお兄さんはこっちの心境なんて無視でお腹を抱えて笑い始め、二人分のココアを買って戻ってきたさなちゃんはそんなお兄さんを怒ってくれた。

なんだろう。ここまで笑ってくれると心が救われる気がする。
そう言えばこの件で笑ってくれた人は初めてかもしれない。皆んな驚きと同情の目をしていたけど、笑った人はいなかったな。

「ごめん、ごめん。でも酷すぎだろそれ」
「だからこそ笑い事じゃないじゃん」

笑われている私よりも怒ってくれているさなちゃん。なぜこんな良い子に友達が少ないのか本当に不思議に思う。

「なら日払いにするよ」
「え?!いや、そこまでは」

突如舞い込んできたその提案に、すぐには頷けなかった。
それを察してくれているのか、さなちゃんのお兄さんは

「派遣や体験の子には日払いだし、店(こっち)はそれで全然いいよ」

と気持ち良く伝えてくれた。
< 5 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop