Nostalgia【短編】
「僕らだけの唄だ」
私も思ってたことを言い、彼はふにゃりと笑う。
水滴を沢山つるさげた髪は、
やっぱり真っ直ぐになることはなかった。
「濡れてる」
いまさら気が付いたみたいに、彼は私の髪に指を通す。
私の髪は、雨でぴったりと頬に張り付いていて、彼の少し硬い指先が、それを剥がした。
「君も」
私も、真似して彼の髪に指を入れた。
思っていたより、柔らかかった。
私も思ってたことを言い、彼はふにゃりと笑う。
水滴を沢山つるさげた髪は、
やっぱり真っ直ぐになることはなかった。
「濡れてる」
いまさら気が付いたみたいに、彼は私の髪に指を通す。
私の髪は、雨でぴったりと頬に張り付いていて、彼の少し硬い指先が、それを剥がした。
「君も」
私も、真似して彼の髪に指を入れた。
思っていたより、柔らかかった。