28時間
慎一が、遥だけでも起こそうか迷っていると、電話が鳴った。

本条翔太だ。

「もしもし?」

「おはようございます。本条です。休みの朝にすみません。
急なんですが、今日、明里ちゃんは何かご予定ありますか?」

「明里の予定?」

「はい。
昨日から家族でB市に帰省中で。
うちの香奈も一人っ子なので、もし明里ちゃんと一緒に遊べたら楽しいと思って」

二人とも7歳。
親より友達と遊びたくなってくる年齢だ。

「予定はないけど…いいんですか?」

「はい。二人で遊んでくれれば、妻と僕も楽ですし。
実家経営のホテルにいるので、良ければ、泊まりで預かりますよ。
着替えだけ持参してもらえれば、レンタルの水着その他あります。
ポニーにも乗れます」

「わかりました。明里に聞いてみます」

快適そうな帰省だ。
プールとポニーか。
明里は大喜びだろう。
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