28時間
夕食を済ませて部屋に戻ると、遥がふと思い出したように言った。

「このあいだ明里ちゃんが、『それで、うちにはいつ赤ちゃんが生まれるのかしら?』って」

子どもの質問はストレートだ。

「あいつ欲しいのかな、弟妹」

「女の子は大体、赤ちゃんが好きですよね。
でも下の子は言うこと聞かないし悪戯もするから、そのうち喧嘩ばっかりになりますけど」

「遥は?欲しい?」

「もうちょっと先でいいかな」

急に結婚したばかりで、子どもを持つことの実感はない。
それに、妊婦になったらいろいろ大変そうだ。

「そうだね」

慎一も同意した。

今の状態は快適だ。

もう少しこのまま楽しみたい。

遥の気持ちはよくわかる。
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