ヒーロー彼女と溺愛彼氏
チクッ

チクッ?何、今の。
俺があんなヤツに嫉妬したみたいじゃん。そんなの俺らしくない…
でも俺は、そんな2人を見ているのが嫌で、人をかき分けるようにして人混みを抜け出した。
あの4人は幼馴染らしいけど、あの清水輝樹とかいうヤツの葉音ちゃんを見る目は、特別なヤツのことを見る目だった。
まぁ、遊んでばっかりいる俺は、あんな目をしたことはないと思うけど…
だけど、なんかデートする気が無くなったから、葉南ちゃんに電話する。

「あー、葉南ちゃん?俺だけど?
うん。今日、デートできなくなっちゃった。
ごめんね。じゃあ。」

とだけ伝えて、無理やり電話を切った。
あーあ!もう誘い来なくなっちゃうなー。なんて他のことを考えようとしても、俺の頭からは、さっきの葉音ちゃんの真っ赤な顔が離れなかった。
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