SecondWedding


「あっ!」

陽菜が何か思いついたように

「もしかして」

「はい?」

何が『もしかして』なんでしょう?

「パパとけっこんするまえにママだれかとけっこん」 

「えっ?」

「はぁ?」

「陽菜?」

私と恭介さんと涼の言葉が被った。

「おにいちゃんはひなとパパがちがう?」

「ち、ちょっと陽菜」

「お前は何を」

「やっぱり陽菜は馬鹿だ」

恭介さんの片眉は上がってきたし涼は呆れている。

でもそんなことよく考えたわね。

「あっ、でもまえのけっこんしきのおしゃしんもパパとママだったし」

私達の言葉は耳に届いてないのか真剣に考えてる。

早く陽菜の誤解を解かないとまた突拍子もないことを考えそう。

「陽菜」

「……」

「陽菜!」

「えっ?」

やっと聞こえたのね。

「ママはパパ以外と結婚してないし涼のパパも陽菜のパパも同じパパ、ここにいる藤倉恭介さんだけよ」

恭介さん『うんうん』って頷いてるし涼は面白そうに笑ってる。

「じゃあ、どうして?」

「うん、これからお話ししてあげる」

「うん、おはなしして」

そう、あれは今から五年ほど前の涼が三歳の五月。

この家じゃなくマンションに住んでいた頃。







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