過保護な副社長はナイショの恋人
どうしてこんなところに副社長が? と、驚いていると、副社長の横に中年の男性と、私と同い年くらいの女性が立っていることに気づいた。
スーツ姿の男性は、渋い雰囲気の紳士風なオジサマで、オーラに威厳がある。
隣の女性はスラッとした美女で、色白の肌に目が大きいのが印象的だ。栗色のストレートヘアは艶があり、品のある人だった。
「一翔くん、こちらはどなたかね?」
男性が低い声で、副社長に問いかけているけど、視線はシッカリ私を見ている。
その鋭さに、たじろきそうになった。
「彼女は、うちの総務の梶田咲実さんです。隣の男性は、本店のアナリスト安部雅也くん。ふたりとも、非常に優秀な社員です」
副社長にそう紹介され、雅也先輩は表情を引き締め直した。
「そうなのか。それにしても、一翔くんは社員の名前を一人ひとり覚えているのかね?」
感心したように言う男性に、副社長は口角を上げるだけだった。
「それより蓮見(はすみ)社長、そろそろ行きましょう」
「そうよ、お父様。時間がなくなっちゃう」
それまで黙っていた女性が、急かすように男性の腕を突いている。どうやら、ふたりは親子らしい。
それも、男性のほうは社長だというから驚きだ。
スーツ姿の男性は、渋い雰囲気の紳士風なオジサマで、オーラに威厳がある。
隣の女性はスラッとした美女で、色白の肌に目が大きいのが印象的だ。栗色のストレートヘアは艶があり、品のある人だった。
「一翔くん、こちらはどなたかね?」
男性が低い声で、副社長に問いかけているけど、視線はシッカリ私を見ている。
その鋭さに、たじろきそうになった。
「彼女は、うちの総務の梶田咲実さんです。隣の男性は、本店のアナリスト安部雅也くん。ふたりとも、非常に優秀な社員です」
副社長にそう紹介され、雅也先輩は表情を引き締め直した。
「そうなのか。それにしても、一翔くんは社員の名前を一人ひとり覚えているのかね?」
感心したように言う男性に、副社長は口角を上げるだけだった。
「それより蓮見(はすみ)社長、そろそろ行きましょう」
「そうよ、お父様。時間がなくなっちゃう」
それまで黙っていた女性が、急かすように男性の腕を突いている。どうやら、ふたりは親子らしい。
それも、男性のほうは社長だというから驚きだ。