過保護な副社長はナイショの恋人
翌日、仕事がどこか注意散漫で、集中できていない。昨夜の副社長のお誘いは、そもそも本気なのか……。
お酒も入っていただろうし、もしかしたら覚えていない……なんてこともありえる。
だいたい、真衣子さんとはどういう関係なんだろう。副社長は恋人じゃないと否定していたけど、ただの顔見知りとは思えないし。
あの場所に、蓮見社長と同行していたのだから、なにか特別な関係にあると考えるのが普通だと思うけど……。
「……さん、梶田さん。入らないのですか?」
荒木さんの声にハッと我に返る。資料を届けに副社長室へ来たのに、ドアをノックしたままボーッとしていた。
「す、すみません。頼まれていた資料です。今回は、見本としてプリントアウトもしています」
A四サイズの封筒を差し出すと、荒木さんは丁寧に受け取った。
控えめな雰囲気の人だけど、メガネの奥の視線が鋭くて緊張する。
なにをボーッとしていたのかと、探られていそうで気まずい。早くこの場を立ち去ってしまおう。
「それでは、失礼いたします」
会釈をして戻ろうとすると、呼び止められてしまった。
「待ってください、梶田さん。副社長が用事がおありみたいで。中へ入ってもらえますか?」
お酒も入っていただろうし、もしかしたら覚えていない……なんてこともありえる。
だいたい、真衣子さんとはどういう関係なんだろう。副社長は恋人じゃないと否定していたけど、ただの顔見知りとは思えないし。
あの場所に、蓮見社長と同行していたのだから、なにか特別な関係にあると考えるのが普通だと思うけど……。
「……さん、梶田さん。入らないのですか?」
荒木さんの声にハッと我に返る。資料を届けに副社長室へ来たのに、ドアをノックしたままボーッとしていた。
「す、すみません。頼まれていた資料です。今回は、見本としてプリントアウトもしています」
A四サイズの封筒を差し出すと、荒木さんは丁寧に受け取った。
控えめな雰囲気の人だけど、メガネの奥の視線が鋭くて緊張する。
なにをボーッとしていたのかと、探られていそうで気まずい。早くこの場を立ち去ってしまおう。
「それでは、失礼いたします」
会釈をして戻ろうとすると、呼び止められてしまった。
「待ってください、梶田さん。副社長が用事がおありみたいで。中へ入ってもらえますか?」