過保護な副社長はナイショの恋人
思わず言葉が震えてしまい恥ずかしい。これじゃあ、まるで意識をしているみたいだ。
「いや、まだ会社なんだ。仕事がひと段落したから、電話をかけてみた」
対照的に副社長は、いつもの落ち着いた口調をしている。
「まだ会社なんですか? もう十時なのに……」
「ハハハ。毎日こんなものだよ。だから、金曜日が結構楽しみなんだけど。俺と、行ってくれるだろ?」
「……どうして、そこまで私にこだわるんですか? 副社長なら、もっとキレイで大人っぽい女性の人とかいそうです……」
正直、今まで『総務の梶田さん』でしかなかった私を、なぜそんなに気にかけるのか、それがどうしても分からない。
すると、副社長はゆっくりと答えた。
「ひたむきさ……だな。仕事に対して私欲がないだろ? いつも相手目線で行動できる。そんな梶田さんが、どうしても気になって仕方ないんだ」
「そんな……。副社長、褒めすぎです……」
とても嬉しいけど照れくさい。私自身は、それほど意識していないし、副社長にも話したけれど、いつかは“寿退職”をしたいとさえ思っている。
だから、副社長の言葉は、だいぶ自分とはかけ離れたイメージに感じた。
「総務でも、そういう評価だと聞いてる。そういう子のプライベートな顔を見てみたくてさ」
「いや、まだ会社なんだ。仕事がひと段落したから、電話をかけてみた」
対照的に副社長は、いつもの落ち着いた口調をしている。
「まだ会社なんですか? もう十時なのに……」
「ハハハ。毎日こんなものだよ。だから、金曜日が結構楽しみなんだけど。俺と、行ってくれるだろ?」
「……どうして、そこまで私にこだわるんですか? 副社長なら、もっとキレイで大人っぽい女性の人とかいそうです……」
正直、今まで『総務の梶田さん』でしかなかった私を、なぜそんなに気にかけるのか、それがどうしても分からない。
すると、副社長はゆっくりと答えた。
「ひたむきさ……だな。仕事に対して私欲がないだろ? いつも相手目線で行動できる。そんな梶田さんが、どうしても気になって仕方ないんだ」
「そんな……。副社長、褒めすぎです……」
とても嬉しいけど照れくさい。私自身は、それほど意識していないし、副社長にも話したけれど、いつかは“寿退職”をしたいとさえ思っている。
だから、副社長の言葉は、だいぶ自分とはかけ離れたイメージに感じた。
「総務でも、そういう評価だと聞いてる。そういう子のプライベートな顔を見てみたくてさ」