過保護な副社長はナイショの恋人
“咲実”だなんて、副社長はどうして簡単に呼ぶのだろう。照れくささで、顔が赤くなっているのが自分でも分かる。
それに、筋の締まった大きな手に触れられて、どんどんドキドキしてきた。
「ありがとう。電話番号を教えてくれて。荒木から受け取ったとき、嬉しかった」
エレベーターに乗り、不意に副社長がそう言った。私の手をギュッと握り、顔は真っ直ぐ前を向いている。
「いえ……。一度くらいは、ご一緒するべきかなと思ったので」
そう答えている間にもエレベーターは着き、副社長はさっさと店に入っていく。
雅也先輩のときは、入店チェックが厳しかったのに、副社長は顔パスみたいだ。
席も慣れたように奥の個室へ入っていき、ドアを閉めると私と向き直った。
「一度くらい? 俺はそんなつもりないよ?」
壁に手をついた副社長は、私に顔を近づける。まるでキスでもされそうな状況に、怖いというよりドキドキしている自分に驚いた。
「ど、どういうことですか?」
「ずっと近付きたいと思っていた。総務の梶田さんとしてじゃなく、プライベートで……」
真っ直ぐ私を見つめる副社長の目から、視線を外せない。さらに、このシチュエーションに抵抗したい気持ちがないことが自分でも信じられない。
「ずっと……?」
「そう。惹かれていた……。きみにずっと。好きなんだ」
思いがけない副社長からの告白に、私は放心状態になってしまった。
それに、筋の締まった大きな手に触れられて、どんどんドキドキしてきた。
「ありがとう。電話番号を教えてくれて。荒木から受け取ったとき、嬉しかった」
エレベーターに乗り、不意に副社長がそう言った。私の手をギュッと握り、顔は真っ直ぐ前を向いている。
「いえ……。一度くらいは、ご一緒するべきかなと思ったので」
そう答えている間にもエレベーターは着き、副社長はさっさと店に入っていく。
雅也先輩のときは、入店チェックが厳しかったのに、副社長は顔パスみたいだ。
席も慣れたように奥の個室へ入っていき、ドアを閉めると私と向き直った。
「一度くらい? 俺はそんなつもりないよ?」
壁に手をついた副社長は、私に顔を近づける。まるでキスでもされそうな状況に、怖いというよりドキドキしている自分に驚いた。
「ど、どういうことですか?」
「ずっと近付きたいと思っていた。総務の梶田さんとしてじゃなく、プライベートで……」
真っ直ぐ私を見つめる副社長の目から、視線を外せない。さらに、このシチュエーションに抵抗したい気持ちがないことが自分でも信じられない。
「ずっと……?」
「そう。惹かれていた……。きみにずっと。好きなんだ」
思いがけない副社長からの告白に、私は放心状態になってしまった。