過保護な副社長はナイショの恋人
花瓶は、有名な高級ブランドのガラス瓶だ。テレビや雑誌で見たことがある。
「キレイなお花ですね。副社長は、お花が好きなんですか?」
ふと口にすると、副社長はパソコンを見据えたまま、無愛想に答えた。
「いや、あれは贈り物。別に俺の趣味じゃない」
「そうですか……」
贈り物って、まさか女性? 花を贈るなんて、ある程度親しい間柄じゃないと、なかなかしないと思うけど……。
そういえば、副社長は恋人がいるのかな。独身なのは間違いないけど、彼女がいるのかまでは知らない。
みんな当たり前のように狙っているけど、あの花瓶の花は、かなり怪しい気がする。
わざわざ、趣味じゃないものを飾る? それによく目立つ窓辺に飾っているし……。
「花が気になるか?」
どうやら私の視線に気づいていたらしく、副社長はぶっきらぼうに言った。
「あ、あの……。とてもキレイな花だなって、思ったものですから。それより、資料はどうでしたか? 修正があれば、すぐに直します」
あまり話を深掘りされないようにしよう。確認を待ちながら、余計なことを考えていたと知られるのもきまりが悪い。
すると、メモリを抜き取った副社長が、私にそれを返した。
「いつもどおり、よく出来てる。梶田さんは、仕事の理解力が高いな」
「キレイなお花ですね。副社長は、お花が好きなんですか?」
ふと口にすると、副社長はパソコンを見据えたまま、無愛想に答えた。
「いや、あれは贈り物。別に俺の趣味じゃない」
「そうですか……」
贈り物って、まさか女性? 花を贈るなんて、ある程度親しい間柄じゃないと、なかなかしないと思うけど……。
そういえば、副社長は恋人がいるのかな。独身なのは間違いないけど、彼女がいるのかまでは知らない。
みんな当たり前のように狙っているけど、あの花瓶の花は、かなり怪しい気がする。
わざわざ、趣味じゃないものを飾る? それによく目立つ窓辺に飾っているし……。
「花が気になるか?」
どうやら私の視線に気づいていたらしく、副社長はぶっきらぼうに言った。
「あ、あの……。とてもキレイな花だなって、思ったものですから。それより、資料はどうでしたか? 修正があれば、すぐに直します」
あまり話を深掘りされないようにしよう。確認を待ちながら、余計なことを考えていたと知られるのもきまりが悪い。
すると、メモリを抜き取った副社長が、私にそれを返した。
「いつもどおり、よく出来てる。梶田さんは、仕事の理解力が高いな」