過保護な副社長はナイショの恋人
「え? 水曜日……?」

水曜日になにかあったっけ? しかも、来てくれって、先輩と約束をした覚えはないけど……。

話が掴めない私に、雅也先輩は怪訝な顔をした。

「あれ? 吉原さんから聞いてない? 本店の社員と本社の社員で、飲み会しようって。木曜日は祝日だろ?」

「そうだったんですか……。知りませんでした」

吉原さんってば、普段から一翔さんのことばかり考えているから、そういう大事な連絡がおろそかになるんじゃないの?

心のなかでムッとしていると、先輩が心配そうに問いかけた。

「とりあえず、咲実ちゃんは出席になってたけど大丈夫?」

「はい、大丈夫です。予定はないので」

とニコリとすると、先輩は笑顔になった。

「それなら良かった。じゃあ、二次会はふたりで抜けない? せっかくだから、ふたりきりなろう」

「えっ⁉︎」

驚く私に先輩は、「時間がないからまたな」と言って、店の奥へ消えていった。

ふたりきりって、どういうこと……? 困るんだけど……。
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