過保護な副社長はナイショの恋人
「えっ⁉︎ そ、それはできません……」
あやめから聞いていた先輩の噂話、こっちは間違っていなかったみたい……。
「なんで? 即拒絶するなんて、ヒドイじゃないか。じゃあ、なんで今までふたりで会ったりしてくれたんだよ?」
「それは、雅也先輩が先輩だからです。学生の頃だって、何度もあったじゃないですか」
顔を近づけないで……。こんなにも、一翔さん以外の人に触れられることを、イヤだと思うなんて……。
彼だって強引さは負けていなかったけど、これほどの嫌悪感はなかった。
どうしよう。声を上げてことが大きくなるのは、私も不本意だ。先輩は酔いもあるだろうし、このまますんなりと逃げていきたい。
だけど、先輩の力が強くてなかなか離れてくれない。
「なあ、咲実ちゃん。付き合おうよ」
それでも、体を近づけてこようとする先輩に、私は抵抗する。
「イヤですってば。離れてください、先輩……」
一翔さん、助けて……。ニューヨークにいることは分かっているのに、心の中で彼の名前を呼んでしまう。
どうしたらいいの……。いっそのこと声を上げてしまおうか、そんなことを考えていたとき、ふいにスマホの着信音が鳴った。
あやめから聞いていた先輩の噂話、こっちは間違っていなかったみたい……。
「なんで? 即拒絶するなんて、ヒドイじゃないか。じゃあ、なんで今までふたりで会ったりしてくれたんだよ?」
「それは、雅也先輩が先輩だからです。学生の頃だって、何度もあったじゃないですか」
顔を近づけないで……。こんなにも、一翔さん以外の人に触れられることを、イヤだと思うなんて……。
彼だって強引さは負けていなかったけど、これほどの嫌悪感はなかった。
どうしよう。声を上げてことが大きくなるのは、私も不本意だ。先輩は酔いもあるだろうし、このまますんなりと逃げていきたい。
だけど、先輩の力が強くてなかなか離れてくれない。
「なあ、咲実ちゃん。付き合おうよ」
それでも、体を近づけてこようとする先輩に、私は抵抗する。
「イヤですってば。離れてください、先輩……」
一翔さん、助けて……。ニューヨークにいることは分かっているのに、心の中で彼の名前を呼んでしまう。
どうしたらいいの……。いっそのこと声を上げてしまおうか、そんなことを考えていたとき、ふいにスマホの着信音が鳴った。