過保護な副社長はナイショの恋人
ソフィスティホテルは、一翔さんとの思い出もある分、切なく気乗りしない場所だ。
でも、雅也先輩の希望だから仕方ない……。
「お待たせ、咲実ちゃん……」
私より、五分遅れて来た先輩は、どことなくよそよそしい。やっぱり、あの夜のことを覚えているのか……。
「いえ……。行きますか?」
私も、以前ほど普通に接することができない。ぎくしゃくした空気のなか、ホテルに入りエレベーターに乗った。
「バーに行きたいなって思って。あそこには、咲実ちゃんとしか行っていないから……」
そう言われ、ズキンと心が痛む。私には、この場所は一翔さんに告白された場所……。その思い出だから。
店内に入り、窓際のソファー席へ案内され、向かい合って座る。今までなら、仕事の話や昔話や、先輩とできる会話はたくさんあったのに、どうしてこんなに沈黙の時間が続いていくのだろう。
「なあ、咲実ちゃん。この間は、本当にごめん。かなり、強引なことをした……」
雅也先輩は、気まずそうに伏し目がちになっている。あの夜のことは覚えていたんだ……。
「いえ……」
としか返事ができなくて、会話にならない。すると、先輩は私の手を握ってきた。
でも、雅也先輩の希望だから仕方ない……。
「お待たせ、咲実ちゃん……」
私より、五分遅れて来た先輩は、どことなくよそよそしい。やっぱり、あの夜のことを覚えているのか……。
「いえ……。行きますか?」
私も、以前ほど普通に接することができない。ぎくしゃくした空気のなか、ホテルに入りエレベーターに乗った。
「バーに行きたいなって思って。あそこには、咲実ちゃんとしか行っていないから……」
そう言われ、ズキンと心が痛む。私には、この場所は一翔さんに告白された場所……。その思い出だから。
店内に入り、窓際のソファー席へ案内され、向かい合って座る。今までなら、仕事の話や昔話や、先輩とできる会話はたくさんあったのに、どうしてこんなに沈黙の時間が続いていくのだろう。
「なあ、咲実ちゃん。この間は、本当にごめん。かなり、強引なことをした……」
雅也先輩は、気まずそうに伏し目がちになっている。あの夜のことは覚えていたんだ……。
「いえ……」
としか返事ができなくて、会話にならない。すると、先輩は私の手を握ってきた。