過保護な副社長はナイショの恋人
「もともと、そんなに親父とは仲が悪いわけじゃない。たしかに、進路を巡って口論になったことはあるけど、俺もいい大人だから」
『自分のことは自分で決めるよ』と、一翔さんは苦笑いをしていた。どうやら真衣子さんは
、私に一翔さんと別れてほしくて、かなりおおげさに伝えていたみたいだった。
それと、意外だったのが一翔さんのご両親で、ふたりとも私を好意的に受け止めてくれている。
今回は、一翔さんのおじいさんが乗り気の縁談だったけど、一翔さんは真衣子さんとの結婚話を決して受け入れなかった。
そんな彼の気持ちに折れるように、おじいさんも最後は私との交際に納得してくれた。
でも、最後まで諦められずに泣いていた真衣子さんは、蓮見社長になだめられながら店をあとにした。
今回のことで、一番振り回されたのは彼女かもしれない……。
「それでは咲実さん、またお会いできるのを楽しみにしています」
二時間後、おじいさんたちが帰ったあと、一翔さんのご両親に挨拶をされた。
大手銀行の社長とはいえ、一翔さんのお父さんはとても接しやすい。もっと、威圧感のある人を想像していたのに……。
「はい、ありがとうございます。必ず、伺わせていただきます」
側にいるお母さんも優しそうでホッとする。
ふたりを見送ると、店には一翔さんとふたりきりになった。
「咲実、傷つけて本当にごめん」
最初の部屋へ戻ると、一翔さんは私を強く抱きしめた。
「一翔さんは、私を傷つけてませんよ。むしろ、私が一翔さんに辛い思いをさせたかもしれないので……」
そう答えると、彼はさらに抱きしめる腕に力を入れた。
痛いぐらいだけど、今はそれも心地いい。
「どうして、そんな風に考えられるんだ? 真衣子さんに言われて、ひとりで悩んで、俺のために別れを選んでくれた。辛かったのは、咲実の方だろ?」
「私は、一翔さんが好きなんです。一翔さんを守ることなら、辛いことも我慢できます」
それが真実。だから今夜も、最後のお別れのつもりで来た。
『自分のことは自分で決めるよ』と、一翔さんは苦笑いをしていた。どうやら真衣子さんは
、私に一翔さんと別れてほしくて、かなりおおげさに伝えていたみたいだった。
それと、意外だったのが一翔さんのご両親で、ふたりとも私を好意的に受け止めてくれている。
今回は、一翔さんのおじいさんが乗り気の縁談だったけど、一翔さんは真衣子さんとの結婚話を決して受け入れなかった。
そんな彼の気持ちに折れるように、おじいさんも最後は私との交際に納得してくれた。
でも、最後まで諦められずに泣いていた真衣子さんは、蓮見社長になだめられながら店をあとにした。
今回のことで、一番振り回されたのは彼女かもしれない……。
「それでは咲実さん、またお会いできるのを楽しみにしています」
二時間後、おじいさんたちが帰ったあと、一翔さんのご両親に挨拶をされた。
大手銀行の社長とはいえ、一翔さんのお父さんはとても接しやすい。もっと、威圧感のある人を想像していたのに……。
「はい、ありがとうございます。必ず、伺わせていただきます」
側にいるお母さんも優しそうでホッとする。
ふたりを見送ると、店には一翔さんとふたりきりになった。
「咲実、傷つけて本当にごめん」
最初の部屋へ戻ると、一翔さんは私を強く抱きしめた。
「一翔さんは、私を傷つけてませんよ。むしろ、私が一翔さんに辛い思いをさせたかもしれないので……」
そう答えると、彼はさらに抱きしめる腕に力を入れた。
痛いぐらいだけど、今はそれも心地いい。
「どうして、そんな風に考えられるんだ? 真衣子さんに言われて、ひとりで悩んで、俺のために別れを選んでくれた。辛かったのは、咲実の方だろ?」
「私は、一翔さんが好きなんです。一翔さんを守ることなら、辛いことも我慢できます」
それが真実。だから今夜も、最後のお別れのつもりで来た。