不機嫌なカレと秘密なつながり
『中学までやってたのに。高校にきて、突然やらなくなるなんておかしいわ。怪我をしているわけでもないのに、バスケを続けないなんておかしいじゃない』

『バスケはやめた』

『本当はやりたいんでしょ?』

『やりたくない』

『嘘よ。噂の「お姫サマ」ね。あの子に、何か言われてるんでしょ?』

また、あたし?

あたしのせい?

『姫歌は関係ない』

『関係あるんでしょ? じゃなきゃ、才能を自ら捨てたりしないもの』

そうね、あたしのせいよ

すべてあたしのせいにすればいいわ

あたしはバスケ部の部室から、離れた

彰汰がこの学校に入ったのも、あたしのせい

彰汰がバスケを辞めたのも、あたしのせい

彰汰の未来を潰したのも……全部、あたしのせいよ

この身体にある傷痕で、彰汰を縛りつけ、苦しめ、そしてあいつの自由を奪っている

あたしは、いつもの特等席に座ると、膝をかかえて座った
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