不機嫌なカレと秘密なつながり
「び、や、く」

「は?」

「知らないわけじゃ…ないわよね? どういう効果をもたらすか…も知ってるわよね。どうせ保健室で、最後までやってないだろうし、きっと薬がなくても、身体が物足りないだろうけど…もっと、物足りなくなるわ。でも…彰汰は来ない。近くにいるのは、違う男」

麻耶先生が口を止めると、がらりとドアが開いた

バスケ部の人だ

彰汰とよく一緒にいる金髪の……確か、一条っていう名前だった気がする

「彰汰は帰ったの?」

麻耶先生が、一条のほうに視線をやった

「ああ、帰ったよ。下駄箱のほうに行った」

「そう。ありがと。ご褒美をあげるわ」

麻耶先生の目があたしに向く

「そりゃどうも」

一条はそう言いながら、生徒指導室のドアを閉めると、あたしの隣に折りたたみ式の椅子を広げて座った

え? どういうこと?

「彰汰の知り合いの男に、抱かれるのよ。彰汰に顔向けできなくなるわね。独占欲の強い男を裏切るってどんな感じかしら? 二人の破滅は近いわね。楽しみ。ショックで悲しみにくれる彰汰の隣に座るのは、私ね」

先生はくすくすと肩を揺らしながら、嬉しそうな顔をしていた
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