不機嫌なカレと秘密なつながり
「麻耶先生に呼び出されたの。お茶に媚薬が入ってて…それで、一条君が…」

あたしの肩を掴んでる彰汰の手に力が入った

「…んだよ、それ」

「ああ、違うの! そうじゃなくて…えっと、待って。落ち着かないと」

スー、ハーとあたしは深呼吸をした

「先生に媚薬の入ったお茶をすすめられて…飲んだんだけど、でもその中には媚薬は入ってなくて。先生のコップのほうに入ってたみたい。先生のほうが媚薬を飲むように、一条君が仕組んでたみたい…でも、その理由はよくわからないんだけど」

「そうか。姫歌は平気なのか?」

「うん。あたしは飲んでないって、一条君が言ってた」

「…それもちょっと勿体ない気もするけど」

「え?」

あたしは彰汰がぼそっと呟いた声が聞き取れなかった

「いや、なんでもない」

「なら、あとは一条に任せておけ。帰ろう」

「あ、うん。彰汰、着替えないと」

「部室まで付き合ってよ」

彰汰があたしに手を差し伸べてきた
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