不機嫌なカレと秘密なつながり
「少しいいかしら?」

ふわっと綺麗で大人びた笑みを、あたしに向けてきた

「私、バスケのマネをしている2年のミチルよ」

首筋から鎖骨にかけて透き通るような肌をあたしはじっと見つめた

いいなあ、綺麗な肌をしている

ジャージのチャックをしっかり上まであげなくてもいい、身体をしているんだね

首に傷痕もなくて、自由に髪型もアレンジできる

あたしはミチル先輩から目をそらすと、己の黒髪の毛先を指先でいじった

「…彰汰のことでしょうか?」

あたしの言葉に、ミチル先輩がくすっと笑った

「わかってるんだ…一応」

『一応』ね

ミチル先輩の言葉が、刃みたいに胸に突き刺さる

「アナタとは関係ないって言ってるんだけど…どう見てもアナタのせいって気がするのよ」

「わかってます」

「何が?」

ミチル先輩が、あたしの真横に立つとぽんっと肩を叩いてきた

ズキっと傷痕に痛みが走る
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