不機嫌なカレと秘密なつながり
そっと彰太の背中に人差し指で触れる
彰太の肩がぴくりと反応するが、振り返りはしなかった
顔が見たい、と言うのはいまの彰太には酷なお願いごとになってしまうのだろうか?
「俺が小学生で、何も知らない餓鬼に見えたんだろうな。男女の何たるか、を教えられた。こうすれば、女は喜ぶって……。でも違った。喜んでたのは、あの人だけだった。だから、拒んだ。あの人との関係を。そしたら……」
彰太がぐるりと体を回転させて、あたしに視線を向ける
あたしの頬を触り、その手が首にある傷跡へとむかった
「ごめん、姫歌。あの日、木から落ちて大けがをするのは俺の予定だったんだ」
彰太があたしの肩にしがみつくように抱きついた
「彰太?」
「あの人は俺がよく木登りをしているのを知ってて」
ごめん、と小さくまた彰太が謝った
微かに、彰太の肩が震えている
「彰太、責任感じてるんだね。あたしの体に消えない傷跡ができちゃったから」
「責任は感じてる。後悔もしている。だからって姫歌の近くにいるんじゃない。好きだから、傍にいたい。姫歌の傷跡を利用してる。これがある限り、俺は姫歌を縛れる。姫歌を……ごめん。姫歌は違うかもしれないのに」
「え?」
「だってそうだろ? 俺のせいで、一生残る傷跡ができなければ、俺以外のヤツに目を向けられたはずだろ」
彰太の肩がぴくりと反応するが、振り返りはしなかった
顔が見たい、と言うのはいまの彰太には酷なお願いごとになってしまうのだろうか?
「俺が小学生で、何も知らない餓鬼に見えたんだろうな。男女の何たるか、を教えられた。こうすれば、女は喜ぶって……。でも違った。喜んでたのは、あの人だけだった。だから、拒んだ。あの人との関係を。そしたら……」
彰太がぐるりと体を回転させて、あたしに視線を向ける
あたしの頬を触り、その手が首にある傷跡へとむかった
「ごめん、姫歌。あの日、木から落ちて大けがをするのは俺の予定だったんだ」
彰太があたしの肩にしがみつくように抱きついた
「彰太?」
「あの人は俺がよく木登りをしているのを知ってて」
ごめん、と小さくまた彰太が謝った
微かに、彰太の肩が震えている
「彰太、責任感じてるんだね。あたしの体に消えない傷跡ができちゃったから」
「責任は感じてる。後悔もしている。だからって姫歌の近くにいるんじゃない。好きだから、傍にいたい。姫歌の傷跡を利用してる。これがある限り、俺は姫歌を縛れる。姫歌を……ごめん。姫歌は違うかもしれないのに」
「え?」
「だってそうだろ? 俺のせいで、一生残る傷跡ができなければ、俺以外のヤツに目を向けられたはずだろ」