不機嫌なカレと秘密なつながり
わかりやす過ぎだから、彰太
「バスケ部の彰太が、ライバルであるサッカー部より上手いプレーをしたがるように。サッカー部も、バスケ部員より上手く、バスケのプレーをしたいんだって。マネとして、それを見届けにね、いかないと」
「は?」
「まずくね? 小山内さん、ここにいたほうが……」と一条君があたしに話しかける。
「彰太には、ほら! バスケ部のマネが応援にきてるじゃない。あたしも、サッカー部のマネとして、ね」
じゃ、と言って歩いだした。
「姫歌! おいっ!」と、彰太の呼び止める大きな声が背中に突き刺さったが、知らんぷりをして校庭をあとにした。
球技大会のMVPは、彰太が獲得した。
サッカー部員の応援に行ったあたしに、嫉妬したらしく、サッカーの試合でかなり大暴れしたようだ。
一条君が、「頼むから今度からは……」と手を合わせて懇願されてしまった。
「小山内、今日はもうあがっていいぞ」とマネの仕事をしていたあたしに、部長が声をかけてきた。
「まだ片づけが」
「今日は金曜日だろ? ほら、あそこ。待ってるぞ」
部長が、下駄箱のほうを指でさす。
「バスケ部の彰太が、ライバルであるサッカー部より上手いプレーをしたがるように。サッカー部も、バスケ部員より上手く、バスケのプレーをしたいんだって。マネとして、それを見届けにね、いかないと」
「は?」
「まずくね? 小山内さん、ここにいたほうが……」と一条君があたしに話しかける。
「彰太には、ほら! バスケ部のマネが応援にきてるじゃない。あたしも、サッカー部のマネとして、ね」
じゃ、と言って歩いだした。
「姫歌! おいっ!」と、彰太の呼び止める大きな声が背中に突き刺さったが、知らんぷりをして校庭をあとにした。
球技大会のMVPは、彰太が獲得した。
サッカー部員の応援に行ったあたしに、嫉妬したらしく、サッカーの試合でかなり大暴れしたようだ。
一条君が、「頼むから今度からは……」と手を合わせて懇願されてしまった。
「小山内、今日はもうあがっていいぞ」とマネの仕事をしていたあたしに、部長が声をかけてきた。
「まだ片づけが」
「今日は金曜日だろ? ほら、あそこ。待ってるぞ」
部長が、下駄箱のほうを指でさす。