キラキラしている人がいる


「なーかたくん。あっそびましょ。」


「は?こっちくんな。」


「あらまぁ、なんて冷たい人。」




昼休みに飯を食おうと弁当を開けていると、また土井が5組へやってきた。




「なんでお前ぼっち飯なの?」


「一人で食って何が悪い。」




誰かに迷惑をかけているわけでもなく、一人で昼食を楽しむ。

それのどこにいけない点があるというのか。




「え、友達いないのかなって心配になる的な。」


「それはお前が勝手に全く必要ない心配をしているだけだ。」



「でもさ、一緒に飯食った方が楽しくね?」



「それはお前の感覚だろ。自分のあいまいな感覚を人に押し付けるな。不快だ。」



「…中田って揺らがねぇな。でも確かにそんな物言いじゃ、友達なんてできねぇよな。」




「…だったらなんだ。お前に迷惑はかけてねぇ。」




お前もあの後輩のように俺の生活からでていけ。


それでいつも通りに元通り。




「ただいまー。」




その時、やはり昼休憩が始まると同時に教室から出て行った小林が戻ってきた。


パンを買いに行っていたのだろうが、あいつは昨日の帰り際に交わした俺との約束を覚えているだろうか。




つい小林の動きを目で追ってしまう。




「…中田、お前、」


「中田!買ってきたよ、パン!」



土井が何か言いかけたのを遮って、小林が俺にパンを差し出す。



キラキラ、キラキラ。

瞳の輝きが漏れ出したのか、小林まで輝いてるように見えてきた。





「今日は冷やしクリームパンだってさ!」




なにがそんなに嬉しいのか、輝きはとどまることを知らない。




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