キラキラしている人がいる
チョコバナナメロンパン
翌日の昼休み。凝りもせずに土井がやってくる。
「傷心のお前に付き合ってやるオレってなんて優しいんだろう。」とよくわからないことを言っているが、いつもよりうるさくないからそのまま放置することにした。
しばらくすると、小林がパンの袋を抱えて教室に入ってくる。
でもこっちには来ない。
俺がいらないと言ったのだから当たり前だ。
それなのに、胸のどこかが刺されたようにわずかな痛みを訴えた。
朝、挨拶をかわすことなく素通りしてしまった時も、視線が合わないことにも、同様の痛みを感じた。
今まで感じたことのないどうしようもない痛みにうんざりしていた。
「お前、見すぎ。」
「は?何が。」
「小林のこと。」
「…見てねぇよ。」
目の前の弁当に視線を落とし、食べ進めるとあっという間に食べ終わってしまった。
昼休みが残りわずかとなり、土井が立ち上がる。
「そろそろ教室戻るかなー。じゃ、また部活でな。」
なんの中身もない会話をする土井。
次から次へと流れる会話に、今日は少しだけ救われた。
小林を見なくて済んだから。
「…おう。」
「お、返事が返ってきた。珍しい。」
「うるせぇよ。」