キラキラしている人がいる
「俺、本当はお前と普通に話したいけど、そうすると小林が嫌な思いするかと思って、できねぇ。」
頭を撫でながら話をすると、膝に顔を埋めたまま「嫌な思いなんてしないよ!」と返ってきた。
「…俺が中学の時に付き合ってたやつと俺と仲良かった女友達さ、いじめられてたんだって。
俺全然気づかなかったし、なんでなのかよくわかんなかったし、俺も責められたし、なんか、面倒になってさ。
だから周りに人が来ないようにしてた。」
「…彼女は?」
「すぐ別れた。告られたからなんとなく付き合ってただけだったし、俺のせいで傷つくくらいなら離れた方がいいかなって。」
「彼女、別れるとき何も言わなかったの?」
「言ってたけど、たぶん俺がそこまで好きじゃなかったんだと思う。それに、俺も悪いみたいに責められて、嫌になったから別れた。…最低な話だけどな。」
「…中田氏は悪い男だ。」
「本当にな。」
「守ってやるって言ってあげればよかったのに。」
「言えなかったんだよ。俺、情けないから。」
「情けない?」
「お前が俺の事避けるから、めちゃくちゃへこんでた。あと、心臓痛くて死にそうだった。痛いのと怖いのは嫌いだ。」
「そのなりでヘタレキャラとかうけるんですけど。」
クスクスと笑い声を漏らす小林に、もう浮上しないだろうと思っていた心が浮き上がるのが分かった。
小林は自分のことを単純だ単細胞だと言っていたが、それは俺も同じかもしれない。
「そろそろ顔上げてもいいんじゃねーの。」
小林の頭に置いていた手をうしろに押すと簡単に顔が上がった。
「ふっ 真っ赤。」
「誰のせいだとおもってんだ。」
「俺だろ。」
「そうだよこのヘタレ。」