冷酷な公爵は無垢な令嬢を愛おしむ
「ローナ、愛している。俺だって昔からローナだけだった。ローナだけを見ていたんだ」

 レイは囁くような告白の後、私の身体を一度離した。
 視線が重なり合い胸が熱くなる。

 言葉を発するより先に唇を塞がれた。
 私は目を閉じてそれを受け入れる。

 レイは何度もキスを繰り返す。いつの間にか唇を割ってレイの舌が私の口内に押し入って来た。

 激しく舌を絡めるようなキスをされて、頭が真っ白になった。
 身体の力が抜けて一人で立っていられない。

 そんな私をレイが支えるように強く抱き締め、執拗にキスを繰り返す。

 漸く離れた時は、私は視線が定まらない程朦朧としていたし、レイも何かに耐えるような切ない顔をしていた。

「レイ……私……」

 このままレイと一緒にいたい。
 一時だって離れたく無い。
 身も心もレイのものになりたい。

 そんな衝動に襲われて理性がどこかへ行ってしまいそうになる。

「ローナ、このまま離したくない」



 再びお互いの唇が重なりそうになったその時、身体が凍り付くような場違いな声が聞こえて来た。
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