暗い星空の少年

「お、やっぱ悠じゃん!」

「え?あ、あぁ…」

確か…こいつは僕が1年生の時、まぁ表面上は友達だった成瀬くんだ。

こんな僕でも1年生の時はそれなりに知り合いや友達もいた。

でもただ僕にとってはめんどくさいだけだったけど…。

みんな鬱陶しい。

「全然会ってないからさ、久しぶりだな!」

「そうだね。久しぶりだな…」

なんとか作り笑いをして話す口調はぎこちなくなる。

「てかさ、お前何組になったの?」

「あ、えっと…A組になったよ。水野くんは?」

「俺はD組。A組とD組って…離れてるからなかなか会うことないよなぁ」

「あはは…そうだよね…」

こうして頑張って話してるうちにも順番は回ってこない…!

なんでこんなに長いんだろう…!
早く離れたい…もうこうなったら…

「あ、僕次の授業の宿題してない!ごめん!僕やっぱ戻るよ!」

「マジか(笑) 分かった~またな!」

「う、うん…またね!」

そう言って僕は列から抜けて廊下に駆け出した。
< 24 / 30 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop