君は失速を知らない。
きっと、心のどこかで感じていた。

いつまでも一緒にいられると。






中学校初日。

朝もダラダラとして、何とか中学校にたどり着いた。


中学校は、お姉ちゃんが通っているから何度か来たことがあって、何だか新鮮味が無い。


他のみんなは案の定キョロキョロしているというのにね。


何だかおかしくて、1人でクスッと笑うと、翔(かける)と葵がやって来た。

「何してんだよー。朝から1人で笑ってるとか。」

「ま、美波らしいと言えばらいしけどさー。」

と言ってくる2人。

この2人は、

なんというか、仲間?みたいな感覚でよく喋ってる。


ふたりはどう思ってるのか分からないけど。


「しっかしさー?まさかの俺たち違うクラスって。なぁ?」

「なー。綺麗に3つに別れちゃったもんなー。」

「7年間一緒かと思ってたんにさー。」


今日もまた、こんなたわいもない話をする。

この距離感が私はとても好きだった。

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