雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「?…紫色?」

「いや、……帰るぞ」


「う、うん?」

私のスクバを取って紫色は私を置いて教室を出ていく。


荷物、持たなくてもいいって言ってるのに…

「ふふ…優しいなぁ……」


私は笑って君を追いかけた。

「紫色、待ってー!」



「遅せぇよ、ばーか」

少し意地悪に笑って艶やかな黒髪を揺らす。


その笑顔に見とれて

『綺麗』なんて、思ってしまう。

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