雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「………何」

見とれていると紫色と目が合ってしまった。


「ううんっ、何でもない!」

「……………そか」


それだけ言った紫色は微笑んで
私の髪をくしゃっと乱暴に撫で回した。


「わわっ、もう!」

「ふっ、ばか雨」


そう綺麗に笑うから

怒る気も失せたじゃんか………


「紫色のばーか」


そう言った私に紫色は綺麗に笑った。
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