雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


校舎を出ると

「さみぃ……」

なんて呟きながら歩く君はさらさら音を立てて黒髪をなびかせる。



「うん、寒いね…」



律だったら…

『俺が太陽になってやる』

って根拠の無い自信をニカッて笑って言うんだろうな。



「……あっためてやろうか?」

え?


私は、泣きそうな顔だったのかな。

君はすごく悲しそうに私の目を見て頬を親指の腹で優しく撫でた。


「紫色……?」
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