雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


弱々しく君は小さな声で呟く。


「……お願いだから、、」

紫色の抱きしめている手が少し震えていることに気付いてしまって、もっと苦しくなった。



「……ごめん」


私がそう言うと「うん」と言って

無理して笑うんだ。



「じゃあ、帰ろうか……」


私と手を繋いで半歩先を行く君の背中は何だか小さく見えた気がした。

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