雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
“誰より愛しい雨へ”
“誰より優しい紫色へ”
そういう題名で、たった2つ。
「読んでほしいの…紫色くんにも渡してほしいわ」
スマホはあなたが貰ってくれていいから、と律のお母さんは腰を上げる。
「雨ちゃん、あの子に幸せをありがとう…」
そう、笑った律のお母さんはとても綺麗だった。
「律の…気持ち」
指が震える。
“誰より愛しい雨へ”
そこを震える人差し指でタップする。