雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「……うぅ……も、やだ」

私の涙を君は掬って優しく笑う。


「何があったの…?」

そう諭すように聞くんだ。


「これ…律のお母さんが……」

私は紫色にあのスマホを渡す。


「これ……読んだのか…」

優しく悲しそうに笑って私の頬を撫でる紫色の笑顔は、壊れてしまいそうで何だか怖った。

紫色も律のメモを読んで顔を歪める。


泣くのを我慢しているように。
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