雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
「雨……入るよ」
そう声がして空いたドアを見ると
いつものように君がいた。
「紫色……」
今日は土曜日だから、朝から来てくれたんだ…
「雨…戻ってこいよ……」
そう言ってベッドに横になっている私の上半身をそっと起こして支えてくれる。
「また、何も食べてねぇんだろ?」
紫色はそう言ってお粥を机の上に置く。
「作ったから、少し食え…」
あの日みたいに“口移し”されるのは嫌で
紫色が口に運んでいわゆる“あーん”をしてもらった。
「ありがとう……」