雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「紫色、やっぱり料理…上手」

「……なら良かった」


優しく笑う紫色はすごく綺麗で
目を合わせられない。

合わせてしまったら、全てが崩れてしまうような気がして。


何にも気づきたくなくて。

この、早い鼓動にも。


その気持ちの名前にも──



「はぁ……もうやだ、」

そう零せば、紫色は顔をしかめる。
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