雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


「律に…会いたい」


「まだ、そんなこと言ってんの…」

紫色の低くなった声にビクリと肩が跳ねる。


「もう、会えねぇよ」

その言葉に涙が溢れ出す。

『死んだ』

と現実を見せられているようで。



「……会いたいよ…律のとこに行きたい」


そう言うと紫色は眉をひそめて

「それ、どういう意味」


そう私の顎に手をやって顔を上げる。
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