雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
「……どうして、キスなんてするの」
涙を落とす私の瞼に君は優しくキスをして、私を抱きしめる。
「死ぬなんて、言うなよ──」
「離してよ」
「嫌だ」
私は、律が好きなんだ。
紫色とのキスやハグは、嫌なんだ。
そう言い聞かせる。
「私は、律が好きなのに…律の彼女なのに」
進めない。
「どうしてそんな私にキスなんかできるの!!」
立ち止まっている、よりは
戻っているのかもしれない。
あの頃に。