雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~


紫色の、両親………?

「死んだ人がどうなるかなんて知らねぇ」

「でも、置いてかれた方は…泣いて泣いて……1人になるんだ」



「………紫色?」

「ごめん、今日は帰るな…また明日くる」


そう言って帰っていった。


私、気付かなかったよ。



『死にたい』って言った時

君が流した涙に。


知らなかったよ。

君が抱えている過去を。

知らずに、何も知らずに。


今日…紫色が心に闇を抱えていたことにも、気付いてあげられなかったんだ。
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