雨上がりの陽だまりで。~誰よりも優しい君に~
「紫色……どうしたの、変だよ?」
「ん、知ってる」
そう優しい声で言って私をきゅっと抱きしめるんだ。
まるで、
“いかないで”
って言ってるみたいに。
「雨…好きだよ」
紫色は綺麗に微笑んで私の頬にキスをする。
「紫色…?」
その悲しげな瞳に何も言うことが出来なくて、ただただ君の真っ黒な目を見つめていた。
「今日……用事あるから、もう帰るな?」
「あ、うん……」
離れた温もりが、寂しい……
なんて、言えないけれど。